1995 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚皮弁における血流と自律神経支配の病態生理学的解析
Project/Area Number |
07857097
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
香川 広司 帝京大学, 医学部, 助手 (90266304)
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Keywords | 皮弁 / Delay / 自律神経 / tyrosin3-monoxygenase / choline acetyltransferase |
Research Abstract |
ラットの皮膚の自律神経線維を抗tyrosin3-monoxygenase (TH)、あるいは抗cholinacetyltransferase (ChAT)抗体を用いて検出するための予備実験を行った。ラット背部の皮膚をネンブタール麻酔下に除毛してから全層で5×5mm採取し、液体窒素を用いて急速凍結した後クリオスタットにて30μmの標本切片を作製した。4%パラホルムアルデヒドにて固定し、H_2O_2処理の後にまずChemicon社製兎ポリクローナル-次抗体(TH: 5000倍、ChAT: 1000倍)、次にVector社製2次抗体をそれぞれ30分間反応させ、アジピン-ビオチン-ペルオキシダーゼ液を滴下して、最後にジアミノベンチジン液にて発色させた。脱水、封入後、光顕にて鏡検した結果、TH, ChATいずれの場合も血管、汗腺周囲に強い免疫陽性組織を認め、自律神経線維の局在の検出が可能であると判断した。そこで、有茎皮弁を挙上して一週間経過した後に作製した標本も同様に染色し比較した。皮弁を挙上した群では血管周囲のTH抗体陽性組織の減少が認められたが、ChAT抗体陽性組織に差は認められなかった。今後は、皮弁挙上前、後6、12、24時間後、2日後より1日毎にレーザードップラー血流計を用いて皮膚血流を測定した後に標本を作製した血流と自律神経系の支配の変化の関係を明らかにする予定である。さらに、血管壁でのadrenergicおよびcholinergic receptorの分布の変化を核酸ハイブリダイゼーション法を用いてmRNAの発現を調べて推測し、血流、自律神経支配とレセプターとの関係も調べる予定である。
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