1995 Fiscal Year Annual Research Report
プロポフォールが高血圧自然発症ラットの血管反応性に及ぼす影響
Project/Area Number |
07857102
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和泉 博通 広島大学, 医学部・付属病院, 助手 (40260674)
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Keywords | プロポフォール / 高血圧自然発症ラット / 大動脈 / 血管反応性 / 血管内皮細胞 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
15〜18週令の高血圧自然発症ラット(Spontaneously Hypertensive Rat: SHR)および正常血圧ラット(Wistar-Kyoto Rat: WKY)を用いて,プロポフォールの血管反応性に及ぼす影響を検討した.まず,Tail-cuff法による非観血的な血圧測定により,SHRがWKYに比べ有意に血圧が高いことを確認した.ペントバルビタール麻酔下に脱血死させ,胸部下行大動脈を摘出し4本の輪状血管標本を作製し,2本は血管内皮細胞を保ち,2本は除去した.標本は緩衝液を満たした水槽内で張力トランスデューサーに接続し等尺性張力が測定できるように準備した.SHRおよびWKY各々より作成した標本のうち,血管内皮細胞を保った標本と除去した標本の1本づつをプロポフォールで前処置し,各標本にKCIを低濃度より段階的に投与し(1〜100mM),各々における等尺性張力(収縮)を測定し,濃度-反応曲線を作成した.プロポフォールは,SHRおよびWKYの大動脈のKCIによる収縮を抑制したが,抑制の程度は内皮のある標本においてSHRの方がより強かった. 次に,血管内皮細胞由来の一酸化窒素の影響を明らかにするために,一酸化窒素合成阻害薬であるL-NAMEにて前処置を行い,上記と同様にプロポフォールの効果を測定した.血管内皮細胞を保った標本ではL-NAMEの前処理により血管内皮細胞を除去した標本と類似の反応を示すようになり,プロポフォールの血管収縮抑制作用は内皮細胞からの一酸化窒素も関与していることが示唆された.
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