1995 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞液中の凝固線溶系因子解析によるヒト体外受精・胚移植の妊娠成立予后因子の検討
Project/Area Number |
07857111
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩政 仁 熊本大学, 医学部・附属病院・産婦人科, 助手 (40264303)
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Keywords | 体外受精 / 卵胞液 / plasminogen activator / plasminogen activator inhibitor-I |
Research Abstract |
IVF-ETにおける成熟卵の質の判定の可能性を検討する目的で、成熟卵胞液中のplasminogen activator inhibitor-1(PA-1)活性、PAI-1抗原およびtissue-plasminogen activator(t-PA)抗原を測定した。 方法:IVF-ETを行った10症例(男性因子例は除外)を対象とし、IVF-ET後妊娠分娩に至った5例から得られた卵胞液の中でET卵の卵胞液9検体を妊娠群とした。対照としてETするも妊娠に至らなかった5症例のうち未受精卵の卵胞液8検体を未受精群とした。両群の間の年齢、適応、hMG使用量、GnRH投与方法および採卵個数、卵胞液量に有意差は認めなかった。卵胞液中のPAI-1抗原、PAI-1活性およびt-PA抗原の測定は、それぞれBiopool社TintElize^R PAI-1キット、Spectrolyse^R(pL)PAIおよびTintElize^R tPAキットを用いた。 成績:妊娠群および未受精群におけるPAI-1抗原、PAI-1活性およびt-PA抗原の値は各々、妊娠群、318.1±80.1ng/ml、20.5±13.7U/ml、1.59±1.03ng/ml[mean±SD]であり、一方未受精群では277.4±155.8ng/ml、17.2±14.8U/ml、1.85±0.91ng/ml[mean±SD]で有意差は認めなかった。しかし、未受精群ではPAI-1抗原とPAI-1活性の間にはp=0.0066で正の相関が認められたが、妊娠群での相関は認められなかった。また今回は成熟卵におけるそれぞれのパラメーターを検討したが、未熟卵における検討は現在検体を集めているところであり、成熟卵の検体数も増やすことを検討している。
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