1995 Fiscal Year Annual Research Report
真珠腫の光免疫学的研究-紫外線の真珠腫上皮に及ぼす影響-
Project/Area Number |
07857120
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
柳田 昌宏 関西医科大学, 医学部, 助手 (20220189)
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Keywords | 真珠腫 / 光化学療法 / エトレチネート剤 / 免疫組織化学 / モルモット |
Research Abstract |
真珠腫上皮は重層扁平上皮基底層の乳頭状の内築性増成とランゲルハンス細胞を含む免疫担当細胞の活性化および周辺の炎症性肉芽組織の増殖、また免疫組織、薬理学的には種々のサイトカインやプロスタグランヂンなどの活性物質が増加していることが報告されている。一方皮膚科領域で行われている光化学療法(PUVA療法)は、エトレチネート剤と紫外線照射により皮膚に存在する免疫担当細胞(ランゲルハンス細胞、リンパ球)や角化細胞、肥満細胞などがさまざま影響を受け局所免疫抑制が生じ、表皮細胞の増殖が抑えられる。 今回はエトレチネート剤であるチガソン単独の効果を動物モデルを用いて行った。真珠腫実験モデルは、モルモットの中耳骨胞内に表皮を移植し、カラニゲンを局所に投与することで2週間で100%作成することができる。これに5mgのチガソンを注入し、1週後に観察すると4匹中2匹で真珠腫は消失し、2週後では全例で真珠腫は消失した。一方免疫組織学的にPCNA陽性細胞ならびにS-100蛋白陽性のランゲルハンス細胞の数は、コントロールに比較し実験群では明らかに減少していた。尚紫外線照射の群については現在観察中であるが、以上の結果よりPUVA療法に用いられるエトレチネート剤単独でも真珠種上皮の増殖抑制がみられることがわかった。
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Research Products
(2 results)