1995 Fiscal Year Annual Research Report
アルカロイド化合物(セファランチン)のマクロファージ活性化作用の機序解明
Project/Area Number |
07857134
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 健一郎 岡山大学, 歯学部, 助手 (30263594)
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Keywords | セファランチン / マクロファージ / サイトカイン / HDC活性 / 細胞内情報伝達系 |
Research Abstract |
我々はこれまで,マウス脾臓においてヒスチジン脱炭酸酵素活性が,アルカロイド化合物(セファランチン)のマクロファージに対する直接作用によって増強されることを明らかにしてきた。LPS刺激マクロファージのIL-1,TNFといったサイトカインの産生を促すものとされているが,そのような反応が起こる作用機序については不明な点が多く,セファランチンが,LPSによって活性化されたマクロファージのどこに作用し,またどのような経路をたどるのかということに関しては未だ全く不明である。したがって本研究はその作用機序解明を目的とし,まず関連受容体の検討から行った。 マクロファージの細胞膜上にはLPS受容体としてCD14,73kDa蛋白があり,このうちCD14にはLPSと血清蛋白の複合体が作用し,73kDa蛋白にはLPS単独で作用する。この性質を利用してマクロファージを10%FCS添加培地と無血清培地で培養しIL-1α,TNFαの産生量を比較した。その結果いずれの培地で培養してもIL-1α産生に増強効果がみられた。このことからセファランチンがいずれかの受容体に作用して,LPSと受容体との結合力が上昇したりあるいは受容体そのものの数が増加したりすることによってIL-1α産生を促すといった機序ではなく,セファランチンが細胞内部の報伝達系に作用していることが明らかとなった。またセファランチンの作用濃度が5〜10μg/mlでIL-1αの産生量がピークとなるような増強効果が現れることならびにTNFαでは増強効果がないことが明らかとなった。 今後は最も効果の現れるセファランチンを作用させるタイミング,培養時間の検討を行う。
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