1995 Fiscal Year Annual Research Report
口腔偏平苔鮮における自己免疫発生機序についての研究
Project/Area Number |
07857145
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
黒田 耕太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90234608)
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Keywords | 細菌性スーパー抗原 / T細胞クローン消失 / T細胞アナジー / アポトーシス / IL-2 / Fas抗原 / 自己免疫疾患 / MRL lpr / lprマウス |
Research Abstract |
今年度はマウスを用いた実験システムによりスーパー抗原に対するT細胞の応答性を解析し、下記の結果を得た。 細胞性スーパー抗原の1つstaphylococcal enterotoxin A (SEA)を投与されたマウスにおいて、血清中IL-2活性は投与後1-3時間に最も高く、SEA応答性T細胞(Vβ3^+,Vβ11^+)のIL-2レセプター(IL-2R)表現は6-12時間後が最も高くなる。Vβ3^+,Vβ11^+T細胞はSEA投与2日目に最も増加し、その後アポトーシス機序により消失する。この2日目には、ほとんどのSEA応答性T細胞ではIL-2Rが表現されておらず、さらに血清中にもIL-2活性は検出されない。これらのことから、IL-2の涸渇が増加したスーパー抗原反応性T細胞の消失に深く関与していることが示唆された。C57BL/6マウスおよびFas抗原が欠如し自己免疫疾患が自然発症するMRLlpr/lprマウスにおいて、rIL-2を封入したosmotic pumpを移植しrIL-2を持続供給することによって、スーパー抗原投与後スーパー抗原応答性T細胞は投与2日以後も消失せずに増加した状態が持続した。また、T細胞のDNA断片化はrIL-2の持続供給によりほぼ阻止された。さらに、SEAとIL-2ポンプで相互処理したマウスのCD4^+T細胞をin vitroにおいてrIL-2で刺激して得れたCD4^+T細胞ブラストはSEAの再刺激により相当量のIL-2を生産した。これらの結果はIL-2の涸渇がスーパー抗原を注射されたマウスの中で増加したスーパー抗原反応性T細胞の消失とアナジー誘導に深く関係していることを示す。 本研究は、米国免疫学専門雑誌Journal of immunologyに受理され、現在印刷中である。
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Research Products
(1 results)