2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 Tohoku University, 加齢医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEONG H. 東北大学, 加齢医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 第二言語運用 / fMRI / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では、第二言語を産出する際に関わる神経モジュールを特定するために、英語を第二言語として習得している日本語母語者話者30名を対象とし、脳機能画像法(fMRI)を用いて、第二言語産出時の脳活動を測定する二つの実験を行った。一つ目の実験では、英語を用いて対人コミュニケーションを行う際(リアル・コミュニケーション条件)の脳活動と、すでに作られている動画に向かって話かける際(動画コミュニケーション条件)の脳活動を比較した。二つ目の実験では、状況を単に記述する言語産出タスクと場面や相手に応じて言語産出するタスクを遂行する際の脳活動を測定し、比較した。両の実験では、コントロールタスクとして母語を用いて同様のタスクを実施した。分析結果、第二言語の言語産出は、母語よりもブローカ野を中心とする運動性言語領域、音韻作動記憶を担う前頭野と頭頂葉が有意に活動していること、さらに、使用場面やタスクの種類によって関連する神経基盤が異なることが分かった。特に、リアル・コミュニケーション条件と場面や相手に応じて言語を産出するタスクは、それぞれの比較タスクよりも、社会認知に関与する領域(両側の上側頭溝後部、内側前頭皮質)で有意な脳活動が測定された。これらの結果から、(1)第二言語を産出する際に関与する神経基盤は、言語産出領域だけではなく、社会性の認知に関わる神経モジュール(前頭前野の内側部や側頭回の前部など)が関与していること、(2)使用場面やタスクの種類などの要因が第二言語産出時の脳活動に影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Products
(3 results)