2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本とマダガスカルにおけるコミュニティマネジメントと防災計画に関する比較研究
Project/Area Number |
07F07014
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
ショウ ラジブ Kyoto University, 地球環境学堂, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAM Razafindrabe 京都大学, 地球環境学堂, 外国人特別研究員
|
Keywords | 生計 / 人間の安全保障 / 気候変動 / 適応 / 災害 / 環境 |
Research Abstract |
マダガスカル東部の中央に位置するAlaotra地方を当研究課題の研究地とした。この地域はマダガスカルの主要な米作地帯であるが、隣接する森林からの土壌浸食問題が深刻化しており、作物に悪影響を及ぼしている。また上流地域では、近年、気候変動と人間の活動により、住民が被害を受けやすくなっている。このような問題から人間の安全保障は脅かされているため、持続的生計と弾力的に適応できるコミュニティの確立への対応及び調査が必要である。そこでRazafindrabe氏はまず、平成19年10月にAmparafaravola及びAmbatondrazaka地域の計308世帯を対象に、地元住民の生計調査アンケートを実施した。また、コミュニティ、地域及び国レベルにおいて、資料提供者や地方自治体へのインタビュー、及び気候変動・災害・環境条件に関するデータ収集を行った。 以下は今年度の主な研究所見概要である。 1.地域コミュニティの間で気候変動及びその影響に関する認識が高まってきている。 2.農業が生計の中心となっている。主要作物は米。 3.収入源は各世帯により異なるが、まだその多くが米の収入のみに頼っており、気候変動の被害が拡大している。 4.近年の気候変動は、多くの人々を脅かし生計に影響を与えている。 5.地方自治体が農業の生産性向上に取り組んでいるにも関わらず、環境劣化により、直接生計に影響が及んでいる。 6.2つの地区で実施された各世帯資産の精密な調査(主に人的資本、社会資本、物的資本、自然資本、金融資本)によって、それらは多岐に渡っていることが判明し、気候変動と災害の危険に冒されている人々や揚所が確認された。 7.人間の安全保障に対する気候変動、災害の影響及び環境劣化を把握し、特に気候変動への適応のための政策を提案するために今後より深く調査する必要がある。
|
Research Products
(2 results)