2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会資本、コミュニティー開発、貧困:アフリカにおける文化的規範の影響に関する研究
Project/Area Number |
07F07019
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高崎 善人 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ADI Alpheus Bongo Chimaeze 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 国際研究者交流 / ナイジェリア / 文化規範 / 社会資本 / コミュニティー / 貧困 / 開発経済学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフリカにおけるコミュニティーをベースとした貧困削減プログラムと、社会資本、特に、悪い文化規範としての呪術に代表される社会資本の劣化との関係を明らかにすることである。ナイジェリアにおいて現地調査を行い、社会実験ならびに調査票を用いてユニークなデータを収集し、計量分析を行う。本年度は、(1)昨年度実施した現地予備調査データを分析し、(2)社会資本測定法について文献調査ならびに方法論の開発準備作業を行い、(3)追加的な現地予備調査を実施した。(1)で、社会資本、特に(非)信頼関係に関しては、既存の調査票による測定では不十分であることが判明し、当初予定していた家計調査を取り止め、(2)を重点的に行った。途上国におけるフィールド実験では、実験のデザインを現地め文化・社会状況にフィットさせることが非常に重要であり、実験に直接関連するがこれまでの調査では十分に把握できていない内容、問題に関して、(3)を実施した。現地調査体制の整備を含め、フィールド実験の理論・実践両面での準備作業である程度の成果が得られた。しかし、最も大きな課題である、外部から極めて見えにくい呪術に関連する事象をいかに分析可能な形で測定するかに関しては、依然アプローチを模索している状況である。実験理論の精査、フィールドにおける深い理解、洞察、それらを統合する試行錯誤的作業をさらに充実させることが、来年度の課題となる。
|