2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RASMUSSEN Christopher Jorgen 京都大学, 数理解析研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 数論幾何 / ガロア表現 / アーベル多様体 / 基本群 / 国際研究者交流 / 米国 |
Research Abstract |
玉川とRasmussenは、当該研究期間以前の共同研究において、代数体kと自然数gを固定するとき、k上のg次元アーベル多様体Aの同型類と素数1の組で、Aの全ての1冪等分点を添加して得られる体が1の外で不分岐でk(ζ1)上副1な拡大になるようなものの集合A(k,g)は有限集合であることを予想し、A(Q,1)の有限性を証明していた。更に、昨年度の終わり頃、この予想について、kが有限個の例外(類数1の虚二次体)を除く任意の二次体の場合のA(k,1)の有限性の証明、A(Q,2)、A(Q,3)の有限性の証明、及び、一般リーマン予想の仮定の下での一般のgに対するA(Q,g)の有限性の証明に到達した。 本年度は、玉川とRasmussenの共同研究により、代数曲線の被覆の数論幾何に関連する、次のような重要な成果を得た。 1.任意の二次体kに対し、A(k,1)の有限性の証明を得た。証明は、昨年度のものとは異なる全く新しい着想に基づくものである。 2.(E,11)がA(Q,1)に属するようなQ上の楕円曲線Eは同種を除いて二つ存在するが、これらの曲線に対し、Q(E[121])内のQ(ζ11)の最大アーベル拡大体を決定した。これらの計算は、射影曲線引く3点の基本群の上の外ガロア表現に関する伊原の問題の観点から興味が持たれる。 3.A(Q,g)に属する(A,1)に対し、1が十分大きければAは1の上で(potentialに)超特異還元を持つか、という未解決問題に関連し、1進体上のアーベル多様体ないし1加除群に関するある問題を定式化した。この問題について、安田正大氏(京大数理研)が、g=3に対し、Breuil-Kisinの理論に基づいて1加除群の場合の反例を構成したが、この反例を改良することにより、形式アーベルスキームの場合の反例を構成することに成功した。(代数的)アーベルスキームの場合の反例の構成は、今後の研究が待たれる。
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Research Products
(5 results)