2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07041
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
向井 正 Kobe University, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
P.S. Lykawka 神戸大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 惑星系 / 太陽系外縁天体 / 力学進化 |
Research Abstract |
太陽系外縁天体(TNOs)の軌道進化のシミュレーション実験を実施して、下記の課題を究明することが、本研究の目的である。1)TNOsの観測事実(特に軌道分布)を説明するために、TNOsの軌道進化モデルを構築する。2)観測バイアスを除いたTNOsの軌道分布を推定して、既存のモデルと詳細に比較検討する。3)39億年前に地球軌道付近で生じた大規模衝突事象(Late Heavy Bombardment)の起源を解明する。4)太陽系および系外太陽系において、本研究で得られた事実に基づいて、将来観測に向けた予言を行なう。 本年度の成果は以下の通りである。 まず、計画の実施において基本と成る、惑星移動の統計的振る舞いを扱うための数値コードの改良、長期間シミュレーション結果と観測事実との比較検討、初期結果をまとめてより改良されたモデル構築のための問題点と改善策を検証する、という課題を実行した。 この結果信頼できる数値実験の実施が可能となった。1)の課題については、惑星移動の前後において、散乱円盤内の海王星との共鳴領域(50AU以遠のr:1共鳴)に捕獲されている粒子(テスト粒子)の長期間軌道進化を調べた。その結果、観測されている大きく歪んだ軌道を持つTNOsは、惑星移動が通過する以前に、すでに円盤内で励起されている(零でない軌道離心率/傾斜角を持っている)ことが必要であることを示した。2)、4)の課題については、4つの巨大ガス惑星と、仮想惑星候補(地球質量の0.3-0.7倍の大きさ)を考慮した場の中で、テスト粒子の軌道進化を40億年にわたって計算し、その結果に基づいて、仮想惑星の存在を提案し、観測に向けた予測を公表し大きな反響が得られた。今後は、海王星置と正三角形を成す位置にあるトロヤ群TNOsの軌道進化の検討から、課題3)を解明する。
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Research Products
(11 results)