2007 Fiscal Year Annual Research Report
断層帯の浸透率・弾性波速度構造とその地下深部流体挙動解析における重要性
Project/Area Number |
07F07042
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋本 利彦 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MITCELL Thomas Matthew 広島大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 断層帯 / 弾性波速度 / 浸透率 / 断層の力学 / 地震の発生機 / 地球内部の流体 / 有馬-高槻構 / サンアンドレアス断層 |
Research Abstract |
本研究の目的は,代表的な断層帯の内部構造とその力学的性質,浸透率・貯留係数のような水理学的性質に関する断層帯の内部構造,および断層帯の弾性波速度構造を調べて,地震の発生過程および地下深部における流体移動の定量的な解析に必要な断層帯のモデルを提示することである.このような研究は,地震の発生機構、地球内部における流体移動,廃棄物隔離・二酸化炭素の地中貯留などの環境問題など,幅広い問題の定量的解析の基礎となるものである.研究期間の開始(平成19年9月末)以降の研究成果は以下の通りである。(1)封圧下で弾性波速度が測定できるように容器内変形透水試験機用の弾性波測定システムを構築した(大気圧下での予備実験は完了).(2)有馬-高槻構造線,野島断層,四国の中央構造線,サンアンドレアス断層の断層調査とサンプリングをおこなった.(3)サンフランシスコ市・金門橋近くのサンアンドレアス断層系から採取した蛇紋岩断層ガウジを用いて地震性断層運動を再現する高速摩擦実験をおこない,断層が高速運動をするときに大きく強度を失うことを明らかにした.(4)Durham大学のN. De Paolaと共同でイタリアの断層帯から採取した無水石膏とドロマイトからなる断層ガウジの高速摩擦実験をおこない,地震発生時に断層の大きな強度低下が起こることを示した.次年度以降は,採取した断層岩の力学的・水理学的・弾性的性質に関する測定,より詳しい高速摩擦,および実験試料の組織解析と天然の断層帯の内部構造との比較をおこないたい.Mitchellの論文5編が現在査読中である.
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Research Products
(2 results)