2008 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化鉄および酸化マンガンによるセリウム(III)の酸化過程の解明に基づく古環境解析
Project/Area Number |
07F07045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 嘉夫 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAS Anirban 広島大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | セリウム / 希土類元素 / デカン高原 / マンガン団塊 / セレン / テルル / クロム / XAFS |
Research Abstract |
1.デカン高原の河川水中の希土類元素:河川水からのセリウム(Ce)の除去過程など、河川水を対象にした希土類元素地球化学の研究を行った。河口域でのCe異常の生成などの解析やデカン高原の主要岩石である玄武岩の風化過程での希土類元素の供給などに関して検討を行った。 2.鉄マンガン酸化物へのセレンおよびテルルの取り込み過程:太平洋海底から採取した鉄マンガン酸化物中のテルルおよびセレンの化学種解析をX線吸収微細構造法(XAFS法)で行った。その結果、セレンは6価が主な化学種であり、テルルは4価と6価が共存していることが示唆された。さらに、人工海水中でマンガン酸化物(δ-MnO2)および水酸化鉄へのSeおよびTeの吸着実験を行い、固相中のSeおよびTeの局所構造をEXAFS法から明らかにした。その結果、Seではいずれの固相に対しても外圏型の錯体として吸着されるが、Teでは内圏型の錯体として吸着されることが分かった。外圏型の錯体は固相とは化学結合を持っておらず、内圏型の錯体に比べて不安定であり、海水中でSeがTeに比べて著しく大きく海水側に分配しているのは、このような固相表面への吸着状態が異なるためと考えられる。 3.ポリ袋中の鉛およびクロムの化学種解析:商店などで製品の包装に用いるレジ袋の一部に、鉛を含んだものがあると報告され、問題視されている。そのため本研究では、XAFS法を用いた日本およびインドのレジ袋中の鉛およびクロムのXAFS分析を行った。これらについてXAFS法による化学種解析を行った結果、スペクトルはPbCrO4と一致し、鉛は主にPbCrO4としてレジ袋中に含まれることが分かった。同様にCrについても分析を行った結果、やはりCrの化学種も主にPbCrO4であることが分かった。
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Research Products
(1 results)