2007 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的プラズマシートでの高エネルギー粒子加速と輻射過程
Project/Area Number |
07F07046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 真弘 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAROSCHEK Claus Herward 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 相対論プラズマ / プラズマシート / 磁気リコネクション / ドリフトキンク不安定 / 輻射過程 / シンクロトロン放射 / 電磁粒子シミュレーション / 粒子加速 |
Research Abstract |
相対論的プラズマシートは、宇宙におけるパルサー磁気圏などコンパクト天体や活動銀河核(AGN)ジェットにおける高エネルギー粒子形成の場所として注目されている。これまでの相対論的プラズマシートの研究は、磁気リコネクション過程やドリフトキンク不安定を介した粒子加速が議論されてきており、特に磁気リコネクション過程は、その非線形発展に伴い「べき則」に従う非熱的エネルギースペクトルを形成することが明らかにされ、宇宙線の起源などその研究の広がりを見せている。しかしこのような相対論的プラズマシートでは、アルフベン速度が光速と同程度になる強磁場を有するので、シンクロトロン輻射損失が特徴的な加速時間と同程度になることがあり、輻射損失を考慮したプラズマダイナミックスを理解する必要がある。本研究では、輻射損失効果を組み込んだリコネクションの研究を開始した。本年度の成果としては以下の通り:(1)相対論的電磁粒子コードの改良を行い、シンクロトロン輻射損失をコードに組み込んだ、(2)2次元のリコネクションのシミュレーションを実行し、輻射損失効果により、ガス圧が減少し幾何学的に薄いプラズマシートが形成される過程を定量的に評価した、(3)薄いプラズマシートの形成に伴いリコネクションの成長時間が速くなること、などの結果を得た。
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