2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーイオン化個別粒子質量分析計の開発と大気エアロゾル解析への応用
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07F07047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松見 豊 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PEARCE Julie K. 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エアロゾル / 質量分析 / 個別粒子分析 / 環境変動 / 環境分析 / 装置開発 |
Research Abstract |
大気中のエアロゾルの個別粒子の化学成分を測定する分析装置の開発を行った。エアロダイナミックレンズと差動排気システムにより、大気エアロゾルを真空中に取り込む粒子導入系を製作した。エアロダイナミックレンズは比較的大きな穴径を持ったオリフィスの組み合わせで構成される。具体的には3.5~5.0mmの穴径のオリフィスを300mmの長さの管に配置した。動作圧を数100Paにするためにエアロダイナミックレンズの入り口には0.3mm径のオリフィスをつけて、大気圧からの圧力差をつけた。粒子が真空槽に入ってくる経路上すなわち粒子ビームの行路上に、粒子を検出するためのもう一つの時間連続的に発振するレーザーを照射するようにするようにした。粒子がこの検出用レーザーを横切ったときに発生する光散乱を光電子増倍管で観測するようにした。レーザー散乱光の時間差から粒子径を自動的に計算するとともにイオン化レーザーの発振のタイミングをコンピュータで制御するが、そのソフトウエアを製作した。 中赤外波長領域の4.3ミクロンの量子カスケードレーザーを光源として多重反射セルで光吸収測定を行うことにより、大気CO2の直接的な同位体比の計測の研究を行った。濃縮などの前処理は不要で、リアルタイムで連続的に計測できる。大気濃度(400ppm程度)での同位体比の変化に対する計測装置の応答速度は約5秒程度のレスポンスである。測定精度については、2秒積算で0.1パーミル程度であった。光学計測系のレスポンスは1秒以下である。測定の精度に関しては、2秒積算で0.1‰、30秒で0.04‰程度の測定精度で13C/12C同位体比を測定でき、180/160の同位体比も同程度の精度で測定できることがわかった。本装置を用いて名古屋大学東山キャンパスにて外気CO2の濃度および同位体比のリアルタイムその場計測を実施した。
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Research Products
(2 results)