2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模系の非線形光学材料設計のための時間依存Hartree-Fockアプローチ
Project/Area Number |
07F07051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Guang-Tao 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | Elongation法 / 電子状態 / 超分極率 / 高分子 / 結晶系 |
Research Abstract |
当研究室で今まで開発してきた、巨大系のための分子軌道論に基づく量子化学的手法により、種々の合成高分子系の(超)分極率を計算するための効率的かつ信頼性の高い演算を並列演算環境下にて開発を行った。そのために、まず大きなユニットを有する高分子で、かつ光学特性に基づいた機能性材料としての実用化に期待されているポリイミド系高分子を取り上げ、PMDA/DMDB,PMDA/ODA,PMDA/TFDBの平面構造、ツイスト構造に対し、Finite-FieldElongation(ELG-FF)法を用いて効率よく系の電子状態を求めた上で、高精度で非線形光学(NLO)特性を抽出した。例えば平面構造における分極率αでは、大きい順からPMDA/DMDB〓PMDA/TFDB>PMDA/ODAとなり、2次超分極率γ値も同様に、PMDA/DMDB>PMDA/TFDB>PMDA/ODAの順となることがわかっている。さらに、分極率αから屈折率を計算する手法を組み込み、実験データとの比較を行った。得られた結果を時間依存Hartree-Fock法に基づくTDHF法でも検証し、その信頼性を確かめた。一方で、領域軌道に基づいたElongation法による時間依存Hartree-Fock法を組み込むための定式化の開発に着手している。さらに二次元系への適用性も確かめるために、シリコン表面を小さなクラスタから周囲を広げていく計算方法で表面を伸長し、良好な結果が得られている。
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