2007 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ポルフィリンリングの新しい超分子化学-分子チューブと光合成反応中心への挑戦
Project/Area Number |
07F07052
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大須賀 篤弘 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Jinping 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 光合成モデル / ポルフィリン / 太陽セル / 電子共役 / ロジウム触媒 / Hech反応 / 共役付加 / 位置選択性 |
Research Abstract |
人工光合成研究に役に立つポルフィリン分子の合成を行った。ポルフィリンリングやポルフィリンチューブに進む準備として、ロジウム触媒によるポルフィリン側鎖へのエステル基導入反応について検討した。我々は、これまでの研究により、イリジウム触媒を用いた反応により、空いているメゾ位の隣のべータ位に選択的にぼー素を導入する反応を開発していた。これらポルフィリン-ホー素は、ロジウム触媒の作用により、ポルフィリン-ロジウム種が生成すれば、アルファーべータ不飽和エステルと反応することが期待できる。メゾーホー素化ポルフィリンは、メゾブロモポルフィリンから合成した。反応の結果、べータホー素化ポルフィリンからは、Heck型の反応が進行し、不飽和エステルが付加した生成物が得られ、メゾーホー素化体からは、共役付加が進行し、飽和エステル付加対が得られる事が分かった。共役を伸ばしたエステルからも、収率は若干落ちるものの、同様な反応が進行することを明らかにした。これらのエステル付加体を水酸化ナトリウムにより加水分解してカルボン酸として、二酸化チタン表面に吸着させると薄膜を生成することがわかった。これらの薄膜を光照射するとポルフィリンが励起されて、二酸化チタンに電子移動し、結果として、超電流が発生することを明らかにした。カルボン酸残基が4個ある基質よりも同じ側に2個ある基質の方が、効率が高いことも分かった。
|