2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH SujitKumar 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 多孔性 / 配位高分子 |
Research Abstract |
本年度は、lsocyanurateに柔軟なcorboxylethyl基を3つ導入したtris(2-carboxylethyl)isocyanurate(tciH3)を架橋配位子に用いて、種々の多孔性配位高分子を合成し、主に溶媒の吸脱着による可逆的な構造変化を検討した。架橋配位子tciH3は、三方向に柔軟架橋構造を展開可能であり、そのねじれにより不斉誘起も可能である。希土類金属イオンと tciH3 との反応により、{[M(tci)(H20)2]2H20}(M=Ce,Pr)が得られた。両錯体ともにカルボン酸架橋による一次元鎖がtciにより連結された2次元構璋を形成していた。この結晶を150℃で加熱処理すると、配位水、結晶水ともに取り除かれた。配位水の脱離により空いたサイトに隣接するカルボキシル酸素が配位してμ2-型の架橋を形成することで、2次元シート間が連結されて3次元骨格構造へと変化した。また、水蒸気にさらすと速やかにもとの構造を復元した。この構造変化は、単結晶相を保持したままsigle-crystal-to-single-crystalで進行した。脱水相は単位格子が約20%縮小しており、ゲスト吸着は示さなかった。ゲストが水の場合のみ、0.1P/PO程度の開孔圧を伴う吸着を示した。このゲスト選択性には、脱水後のpore sizeと吸着過程がカルボン酸架橋の開裂とゲストの配位を伴うために、ゲストのサイズと配位能が強く影響していると考えられる。今後は、このsoft crystal系を基に、構造の化学的応答を利用したゲスト誘起キラリティや特異な触媒能の発現を目指す。
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Research Products
(2 results)