2008 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性物質の高選択的高感度検出用電気化学バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
07F07057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Zhiai 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アプタマー / アプタセンサー / 脱塩基含有DNA / 蛍光検出 / 電気化学検出 / アデノシン |
Research Abstract |
特定の標的物質に対して選択的に結合するアプタヤーはSELEX法による網羅的な解析から選別され、標的に対する高い選択性や親和性を有する特徴がある。アプタマーに、蛍光団や吸収団、電気化学活性団等をラベル化し、これを利用した基質特異的分析法が開発されている。本研究では脱塩基部位含有DNA二重鎖とアプタマーを組み合わせたATPのラベルフリー蛍光検出系の開発を行った。 アプタマー鎖とこれに相補的な脱塩基(AP)部位含有DNA鎖からなるDNA二重鎖にナフチリジン誘導体の蛍光性リガンド(ATMND)を添加するとATMNDがAPサイトに結合し消光する。蛍光滴定実験の結果は1:1の錯生成モデルで解析でき、結合定数としてK_<11>=7.1×10^7M^<-1>を得た. この錯体にATPを添加するとアプタマー鎖とATPとの錯生成が生じ、ATMNDの蛍光が回復する。回復度にして7倍の蛍光応答を得た、蛍光の回復度によりATP存在量を分析でき、検出感度は約1μMであった。この検出感度は従来法に匹敵するか優るものであった。 一方、アプタマー鎖を2分割したDNA鎖を作り、ATPとAPサイト含有DNA鎖の存在下で自己集合体が形成される系に対して、APサイト上下塩基をグアニンまたはチミンとした場合、それぞれATMNDまたはジアミノピラジン誘導体(DCPC)をリガンドとすると、消光型と発蛍光型の蛍光応答を得ることができた。 ATMNDとフェロセンを結合した電気化学活性リガンドを用いた系についても検討中である。 以上、脱塩基含有DNA鎖とアプタマー配列とを用いた新規分析法を開発した。
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Research Products
(2 results)