2007 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性物質の高選択的高感度検出用電気化学バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
07F07057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Zhiai 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | DNA / SNPs / アプタマー / 蛍光 / アデノシン |
Research Abstract |
遺伝的先天性疾患の診断を目的として、個々人のDNA配列を解析することの重要性が高まっている。特に、DNA配列内の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphisms, SNPs)検出法の開発は、個人個人に最適化された「テーラーメイド医療」の実現に向けて重要な研究課題の一つである。これまで、蛍光検出型DNAマイクロアレイが主に開発されてきたが、標的DNAへの蛍光ラベル化などの煩雑な操作が必要であることが問題とされており、これに代わる迅速、簡便かつ安価な手法の開発が期待されている。本研究では蛍光ラベル化を必要としない手法として、脱塩基部位含有DNAとアプタマーを組み合わせた高感度アデノシン検出系の開発を行った。従来のDNAアプタマーでは主に蛍光団をレポーターとしてアプタマー配列に導入しすることで、標的分子との結合を検出していた。これに対して本系ではアプタマーの一部と相補的な配列を有する脱塩基部位含有DNAを併用し、水素結合性小分子の脱塩基部位への結合について蛍光スペクトルから計測した。この系ではアプタマーへの有機化学的手法による官能基修飾が不要であること、蛍光回復型の応答が得られることがこれまでの報告とは一線を画すものである。本研究で行った脱塩基合成DNAと水素結合性小分子を用いる新規DNAアプタマーの開発はアプタマー配列に一切の修飾操作を必要としない簡便かつ高感度な生理活性物質検出系としての展開が期待できる。現在論文投稿準備中であり、これと平行して電気化学計測による代謝物質検出への適用を行っている。
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