2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホスラクトマイシン類の効率的な合成法の確立と医薬品開発につながる誘導体の合成
Project/Area Number |
07F07060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NURUZZAMAN Mohammad 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ホスラクトマイシン / プロテインホスファターゼ / 不斉ジオール化 / キレーションコントロール / アセチレンケトン / 不斉還元 / プロパルギルアルコール / エステルノレートの分子内アルキル化反応 |
Research Abstract |
ホスラクトマイシン類は高選択的にプロテインホスファターゼ2A(PP2A)を阻害し,一方では抗腫瘍活性や抗菌活性を示し,次世代の医薬品開発のリード化合物として大いに期待されている。最近,我々は右側の6員環上にエステル置換基をもたないphoslactomycin Bの合成に世界に先駆けて成功し,ホスラクトマイシン系医薬品開発の素地が出来上がった。しかし,38ステップを要するため,更なる合成法の改良が必要である。そこで,本研究では(1)合成法の改良・短縮化,(2)6員環上にエステル置換基をもつタイプのphoslactomycin類の合成研究を行った。まず,前者に関しては,β,γ-不飽和エステル不斉ジオール化とラクトン化を組み合わせて,β-OH-ラクトンを合成した。OH基を官能基変換し,アセチレンを導入した。これに,ビニル基(CH_2=CHMgBr)をキレーションコントロール下で反応させて,分子の左側にビニル基を,右側にアセチレン基をもつキー中間体に誘導した。ビニル基はラクトン環構築の手がかりであり,アセチレン基にシクロヘキシルビニル基を連結して分子全体を構築できる。さらにラクトン環を構築した"進んだ中間体"の構築を行った。その際,アセチレンケトンの不斉還元反応を行い,キラルなプロパルギルアルコール・ユニットを立体選択的かつ短行程で構築する方法を確立した。次に,エステルエノレートの分子内アルキル化反応を使って6員環上にエステル置換基をもつ中間体を立体選択的に構築した。
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