2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FATIN Hajjaj 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属内包フラーレン / 銅ポルフィリン / スピン相互作用 / 強磁性 |
Research Abstract |
金属内包フラーレンは、ナノ構造を有する強磁性体のビルディングユニットとして興味深い分子である。我々は、金属ポルフィリン環状二量体がフラーレンを強く包接する現象を見いだし、その超分子化学を展開してきた。研究の過程で、金属ポルフィリンと金属内包フラーレン上のスピンがスピン相互作用を起こすことを見いだした。これまでの検討から、銅ポルフィリンの環状二量体とLa@C82の包接複合体が強磁性的相互作用を示すことを見いだした。両者のスピン相互作用は、銅ポルフィリン環状二量体への包接に伴い、La@C82由来のESRシグナルが消失することから明らかとなった。しかし、さらに詳細な検討を固体状態で行ったところ、溶媒の留去に伴い、複合体の解離が起きてしまうことが分かった。本研究では、固体でも複合体の解離が生じないためにLa@C82を封入可能な新規ポルフィリン環状二量体を設計した。この目的のため、分子内に4つのチオール基を導入し、それらの間でのS-S結合生成による封入を期待した。目的物の前駆体の単離精製は1H NMRやMALDI-TOFマス測定から確認した。最終前駆体のデメタレL-Lションとこ価の銅イオンのメタレーションによる最終目的物の収率は70%程度となり、単離した目的物の同定はMALDI-TOFマス測定により行った。目的物の更なる精製と同定をX線結晶構造解析や元素分析によって行い、その後、ESRやSQUID測定により、その磁気的性質を明らかにする予定である。
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