2008 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による高配向型TiO_2ナノチューブアレイの創製と太陽光発電への応用
Project/Area Number |
07F07069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関野 徹 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAHIM N.F. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化物ナノチューブ / 配向 / 陽極酸化 / ハロゲンフリー / アレイ / ナノ構造 / 電気化学 / アスペクト比 |
Research Abstract |
初年度に引き続き、陽極酸化法を基礎とした電気化学的プロセスを用いて自己組織化的に低次元異方性ナノ構造を持つ酸化チタンナノチューブを配向成長させると共に、そのサイズや構造・物性を制御する構造化プロセス構築とその構造・機能解明ならびに光電変換デバイスへの適用を目的とした研究を行い、以下の成果を得た。 1.2極式電気化学セルを用いた陽極酸化法の電解液組成や印加電圧などを引き続き精査し、塩化ナトリウム或いは過塩素酸溶液を用い、短時間に直径8-15nm、長さ10-35μmの高品位な酸化チタンナノチューブバンドルを生成させる条件を最適化した。 2.得られた構造はアモルファスナノチューブであり、熱処理の結果480℃以上でアナターゼ型へと構造転移することを見出し、光学的バンドギャップエネルギーは熱処処理温度の上昇に伴い3.02から3.23eV(600℃)迄上昇し、700℃処理では再度3.09eV迄低下した。 3.従来の電解質とは異なり、フッ素、塩素を全く含まない硫酸溶液などを用い、500nm以上のナノチューブアレイを合成させるプロセスを更に最適化した。特に、NaCl/Na2SiO3混合溶媒系での合成により、シリカ担持型ナノチューブを生成させることに成功した。 4.得られたナノチューブを用い、透明導電性ガラス基板にブレード法により成膜するための条件を検討すると共に、導電性などの基礎評価を行った。 5.得られたナノチューブをNa,Ca,Mg,PO3等のイオンを含む電解質に含浸させることで、水酸化アパタイト系無機結晶が良好に表面に生成することを見出し、本材料は光電変換材料だけでなく生体適合材料など、多様な分野へ応用できる可能性も見出した。
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