2007 Fiscal Year Annual Research Report
一次元ナノ構造体を利用した電界効果トランジスタによるオンチップバイオセンサ構築
Project/Area Number |
07F07072
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
逢坂 哲彌 Waseda University, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANGARAJU Shanmugam 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | マグネタイト / ナノ粒子 / 生体ポリアミン / ナノロッド / センサー |
Research Abstract |
ナノ粒子のセンサ応用を目的として、スペルミンやスペルミジンなどの生体ポリアミンを利用したマグネタイト(Fe_3O_4)ナノ粒子の新規合成手法の開発を行ってきた。ここで合成したマグネタイトナノ粒子は以下に示す特徴を有する。(i)粒子サイズは約42nmで走磁性細菌中に存在するマグネタイトと同等の粒径を有する。(ii)粒子は鎖状構造を形成する傾向がある。(iii)単磁区構造の粒子である。種々の技術により系統的な分析を行った結果、マグネタイトナノ粒子が生体適合性を有し、良好な水中分散性を示すことが観察された。また、その飽和磁化は室温で84emu/gを示した。さらに、DNAセンシングへの応用を考慮し、マグネタイトナノ粒子の3-aminopropyltriethoxysilaneによる表面修飾の検討も行った。 一方、高アスペクト比を有する単結晶ヘマタイトナノロッドの合成を行い、X線回折、透過電子顕微鏡、X線光電子分光、および超伝導量子干渉計を用いて試料の分析を行った。スペルミンを含むFeCl_2水溶液を室温下で反応させる簡便な反応により、ヘマタイトナノロッドの合成を達成した。この手法では、初めに多量の自己集合したFeOOHナノロッドが形成される。そのロッドの直径は9nmで長さは300から600nmにわたる。このナノロッドを焼成することにより、ヘマタイトナノロッドが生成する。高純度のFe_2O_3ナノロッドを用いれば電界効果トランジスタを設計することが可能になると思われるが、ナノロッドの電気伝導性などに関する検討は現在進行中である。電界効果トランジスタの電気特性を制御するためには、Fe_2O_3ナノロッドに亜鉛イオンなどをドープする方法が考えられる。今後は、DNAバイオセンサの構築を目的として、このような1次元ヘマタイトナノロッドの電界効果トランジスタへの適用を検討する。
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