2008 Fiscal Year Annual Research Report
標的指向性分子を装着したナノ微粒子-ブロック共重合体コンジュゲート
Project/Area Number |
07F07084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARMA T.Kumar 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | MRI用造影剤 / ポリエチレングリコール / リガンド / マグネタイト微粒子 |
Research Abstract |
近年ナノテクノロジーを基盤とした医療(ナノメディシン)が非常に大きな注目を集めているが、とりわけガンの早期発見のためには診断用プローブの開発が必要不可欠である。本研究では、ドラッグデリバリーシステムとしてブロック共重合体が自発的に作る自己会合体を基盤とし、MRI造影剤を会合体コアに内包し、表面に標的指向性分子を装着した新規診断システムを構築することを目的とする。具体的には、内包造影剤として磁性微粒子を用いて、標的指向性分子として葉酸を導入したブロック共重合体の合成を行い、MRI用造影剤内包高分子ミセルの構築を図った。まず、葉酸を導入するためのブロック共重合体としてアセタール基を末端に有するポリエチレングリコール(PEG)-ポリアスパラギン酸のブロック共重合体を作製した。その後、葉酸をこのブロック共重合体の末端への導入を行い、葉酸をほぼ定量的に導入することができた。このブロック共重合体と磁性微粒子であるマグネタイトと混ぜることにより、粒径100nm以下の単分散なミセルができることを確認した。さらに、表面プラズモン共鳴により、この微粒子が葉酸を表面に持たない造影剤内包ミセルに比べ、葉酸結合プロテインに特異的に結合することを確認できたことから、標的指向性を持った造影剤の構築に成功したと言える。 また、造影剤である磁性微粒子のステルス効果を上げるために、金被覆磁性微粒子を作製し、SH基とアルキンをそれぞれの末端に持つPEGを金被覆を試みた。SH基は金と特異的結合をするため、アルキンは標的指向性分子を装着するために導入した。その結果、標的指向性分子を持たない状態で劇的に磁性微粒子のポリマー密度が向上し、血中滞留性及び腫瘍集積性を上げることに成功した。膵臓ガン同所移植モデル等を用いたin vivo MRIにおいても造影剤を全身投与後1時間後には陰性の造影効果が確認し、膵臓ガン造影にも成功した。
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Research Products
(5 results)