2008 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国の農村部における水浄化用のコスト的に有効な太陽光光触媒の開発
Project/Area Number |
07F07087
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川瀬 義矩 Toyo University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZNAD H. T. 東洋大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒調整 / 排水処理 / ドープ |
Research Abstract |
酸化チタン光触媒をドープしたNb-S TiO_2、Ta-S doped TiO_2では、太陽光下でのOrange IIの脱色速度がドープしていないTiO_2やS doped TiO_2より速くなった。吸収波長が可視領域側にシフトしたことにより、ドープしていないTiO_2やS doped TiO_2より太陽光の可視領域の光をより利用できるようになったためである。また、Nb-S TiO_2とTa-S TiO_2では、Nb-S TiO_2の方がTa-S doped TiO_2より脱色速度が速かった。これは、Nb-S doped TiO_2の方が、吸収波長が可視領域側にシフトしており、また、UVランプ照射下での脱色速度が速いためである。太陽光には約1〜3[mW/cm^2]の紫外線が含まれているため、太陽光照射下で最もはやくOrange IIを脱色したNb-S doped TiO_2について、紫外線がわずかにしか(太陽光の約1000分の1)含まれていない蛍光灯を照射してOrange IIの脱色実験を行った。その結果、Nb-S doped TiO_2は紫外線が非常に少ない状態でもOrange IIの脱色でき、また、ドープしていないTiO_2より速くOrange IIを脱色できることが確認できた。Nb-S doped TiO_2では、可視-紫外線吸収スペクトルを測定した結果から、ドープしていないTiO_2、S-doped TiO_2に比べて吸収波長が可視領域側に大きくシフトしているため、このことが、活性が向上したと考えられる。Nb-Sドープ酸化チタンの方が、Ta-Sドープ酸化チタンより脱色速度が速かったが、Nb-S酸化チタンの方が結晶サイズが小さく、吸収波長が可視領域側にシフトしており、また、紫外線照射下での活性が高いためと考えられ、TaとSの共ドープより、NbとSの共ドープのほうが効果的に太陽光照射下での活性を向上させることが分かった。コストの面から考えてもTaとSの共ドープよりNbとSの共ドープの方が良いと考えられる。研究は順調に行われ、一定の成果が得られた。
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Research Products
(1 results)