2007 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国の農村部における水浄化用のコスト的に有効な太陽光光触媒の開発
Project/Area Number |
07F07087
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川瀬 義矩 Toyo University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZNAD Hussein T 東洋大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒調整 / 排水処理 / 硫黄ドープ |
Research Abstract |
光触媒は、光エネルギー(紫外線が主であるが、太陽光の適用についても多くの研究がある)を用いることにより有害有機物質を水と二酸化炭素にまで分解できる触媒である。従来の光触媒よりもOHラジカルを大量に発生させ、環境問題を引き起こす有機物質を迅速かつ効率的に低コストで水と二酸化炭素にまで処理できるプロセスの開発を目的としている。太陽光でも高い分解能を持つ光触媒の調製を進めている。安価で簡単な方法で作製した触媒の特性の測定など行っている。市販の酸化チタン触媒(P25 Degussa)に硫黄を加水分解法によりドープした。酸化チタン触媒に硫黄をドープしたことによりアナターゼの割合が若干増加し、オレンジIIの分解速度は1.5倍になる結果が得られた。 実験から焼成温度が重要な効果を持つことが解った。焼成温度を100℃から550℃に上げることにより脱色速度が6倍になった。しかし、焼成温度をさらに700℃に上げると結晶のサイズが大きくなり活性は大きく低下する実験結果が得られた。SEM写真から、焼成温度が550℃までは温度上昇により粒子のサイズが減少することが確かめられた。XRD(粉末X線回析装置)によって、ドープしない場合の結晶平均径は23.31nmであり硫黄をドープすることにより20.75nmに減少することが確認された。XPS(X線光電子分光)の結果から168.9eVにピークが見られるが、このことはS^<6+>によってTi^<4+>が置換されたことを示している。研究は順調に進行しており、今後さらに分解能の高い光触媒を得るための調製法の検討を行う。非常に積極的に研究に取り組んでいる。
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Research Products
(1 results)