2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの光非線形性を用いたモード同期レーザおよび光デバイスの研究
Project/Area Number |
07F07095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真司 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARTINEZ Amos 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ / 光ファイバレーザ / MMA / モード同期 / 短パルス発生 |
Research Abstract |
これまでの研究では、CNTを薄膜状にして、光を垂直に入、もしくは平行に配置してCNTとのエバネッセント結口によりCNTデバイスとしてきた。しかしながら、CNT集積機能素子を目指すためには、CNTを光ファイバや導波路のコア中にドープしたCNTドープ光ファイバ/導波路が望ましい。本研究では、その第一歩として、新しいCNTド-プポリマーを実現し、その可飽和吸収特性を利用したモード同期光ファイバレーザを実現することに成功した。 これまでにいくつか報告されているCNTドープポリマーとは異なり、本研究では光ファイバ/導波路化に適したメチルメタクリレート(MMA)をホストとして用い、硫化ジフェニル(DPS)をドーパントとして用いた。DPSは屈折率を上昇させる効果があり、ポリマー光ファイバのコアのドーパントとして用いられている。CNTは液体状のMMAモノマーにパウダーの形で加えられ、超音波処理により分散させた後、熱的にポリマー化させることにより均一に分散されたCNTドープポリマーを得た。ラマンスペクトル・光吸収特性についてもDPSがドープされている場合にはCNT薄膜と同様の特性が観測された。 このCNTドープポリマーサンプルの可飽和吸収特性を利用したモード同期光ファイバレーザを実現した。エルビウムリングレーザの途中にCNTドープポリマーサンプルを光ファイバレンズを介して挿入した。出力光スペクトルは典型的なソリトン形状をしており、受動モード同期が達成されていることがわかる。半値全幅は約1.4nmであり、sech2型のソリトンパルスを仮定すればパルス幅は1.8psとなるが、自己相関関数から計算されたパルス幅は1.95psとやや広がっていた。時間波形測定により、繰り返し周波数が5.3MHzであることを確認した。
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