2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射光解析物性に基づいた新規Hfベース高誘電率ゲート薄膜の探索
Project/Area Number |
07F07106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾嶋 正治 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Gang 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 高誘電率ゲート絶縁膜 / ULSI / 放射光解析 / CVD / Al2O3 |
Research Abstract |
本研究では、高誘電率絶縁膜を用いたMOSスタック構造の作製と放射光解析を用いた物性評価を行うこととしている。平成19年度は、下地への損傷が少なくゲート絶縁膜形成に適しているMOCVD法を用いて、Al_2O_3膜の形成を試みた。ここでは、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH),(CH_3)_2AIHと酸素の組み合わせを反応系として選定した。Al_2O_3のMOCVD原料ガスとしては、トリメチルアルミニウム(TMA),(CH_3)_3Alを用いるのが一般的であるが、DMAHを用いると不均化反応によりメチル基をTMAの形で取り除くことができ、そのため、TMAを用いた場合と比較して、比較的弱い酸化雰囲気でも膜中取り込み炭素濃度を低減できる可能性がある。このことは、Siだけでなく、酸化に弱い高移動度半導体材料を用いたMOSFET合成にも長所となり得る。この効果を期待して、まずは膜中取り込み炭素濃度や屈折率と製膜条件との対応を検討した。その結果、酸素分圧5Torr程度、製膜温度300℃以上で膜中炭素濃度が1%以下、屈折率1.62程度のAl_2O_3膜を合成することができた。TMAを原料として用いた場合には、酸素を酸化剤として高純度のAl_2O_3膜を合成することは困難であることから、本反応スキームの有効性を確認することができた。また、膜厚2〜3nmのAl_2O_3膜を作製し、Si基板との界面構造を高エネルギー研究所の高輝度放射光を用いた光電子スペクトル解析により検討したところ、SiO_2などの界面酸化物の形成は認められないことを確認した。また、バンドギャップ、バンドオフセットの評価、アニールによる界面構造変化なども併せて検討を行い、MOSスタック形成最適条件の検討を行っている。来年度も継続してこのような検討を行う予定である。
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