2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07114
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 壮一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAH Abid Ali 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コンクリート / 損傷評価 / 非線形超音波 / 減衰 / 高周波調和波 / 数値シミュレーション / 高速多重極境界要素法 / 演算子時間域 |
Research Abstract |
本研究は,コンクリート材料中を伝搬する超音波の散乱,減衰,分散性ならびに非線形性を実験と解析の両面から検討することによってコンクリート材料の損傷度を定量的に評価しようとするものである.まず,実験では,水-セメント比の異なる供試体を作成し,超音波伝搬実験を行い,減衰特性を求めた.また,コンクリート供試体の破壊実験と超音波伝搬実験を同時に実施して,コンクリートの損傷度の進行とともに超音波の2次あるいは3次高調和波成分が変化することを確認した.これは,コンクリートの損傷が進行するにつれて材料の非線形が増加し,そのために超音波の非線形性が増大したためであると考えられる.しかし,コンクリートの損傷は実験毎に性状が異なるため,ばらつきが大きく,損傷度の定量的な評価を行うには多くの供試体を用いた実験を行う必要がある.今年度は限られた数の供試体を用いた実験しか行えなかったので,平成20年度においてさらなる追加実験を予定している.このような実験のばらつきの大きさを補うためにも,損傷をモデル化した波動解析は有効である.平成19年度は,非均質材料における大規模な波動解析を行うために演算子時間域高速多重極境界要素法と呼ばれる新しい解析手法を開発した.この手法を用いてコンクリートのような多数の散乱体を含む非均質材料における超音波の伝搬特性を解析し,超音波の散乱や分散特性を明らかにした.今後,解析においても適切な損傷のモデル化,並びに,ばらつきを表すランダム特性のモデル化を行い,実験結果との詳細な比較検討を行う予定である.
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Research Products
(3 results)