2007 Fiscal Year Annual Research Report
淡水資源保全のためのエコテクノロジーの活用による環境汚染有機物質の高度処理
Project/Area Number |
07F07118
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 修 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 海亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 人工湿地 / エストロゲン / 浸透ろ床深さ / ヨシ / 根圏 |
Research Abstract |
人工湿地法における天然エストロゲン及び合成エストロゲンの処理特性を明らかにすることを目的とし、下水2次処理水を流入させた人工湿地を対象に研究を行った。処理特性に影響を与える水理学的条件として、浸透ろ床深さ、水位条件について調査を行った。また、処理特性を正確に把握するため、24時間連続サンプリングを行い、人工湿地法におけるエストロゲンの排出実態を調査した。人工湿地法におけるエストロゲンの処理機構を明らかにするため、コアサンプラーで人工湿地を打ち抜き、湿地内部の状態を調査した。 その結果、水位によらず、ろ床深さ7.5cm系が最も除去率が高い。流入水中に含まれるエストロゲン活性は8.6ngE2等量/Lであり、浸透ろ床深さ7.5cm、30cm及び60cmの条件のそれぞれの除去率は78%、32%及び48%となった。浸透ろ床への吸着による除去は浸透ろ床深さによってほとんど変わらなかったことから、人工湿地法におけるエストロゲン活性の除去率の違いは根圏による分解に起因していることが明らかとなった。浸透ろ床深さ30cm及び60cmの条件に比べて、浸透ろ床深さ7.5cmの人工湿地内に植栽されたヨシは根毛が非常に発達していることが明らかとなった。 人工湿地法におけるエストロゲン除去率を向上させるためには、浸透ろ床深さを制限することで根圏を高密度に発達させたり、低水位条件人工湿地にすることで流入水を根圏と接触させやすくしたりすることなどによって、根圏微生物による除去を受けやすくすることが重要であることが明らかとなった。
|