2007 Fiscal Year Annual Research Report
海岸林の再生と利用による持続的な海岸資源管理に関する研究
Project/Area Number |
07F07119
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田中 規夫 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JINADASA K.N. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 海岸防潮林 / 水質浄化 / ココヤシ繊維 / 数値解析 / 維持管理 |
Research Abstract |
海岸防潮林は、その他の津波対策(海岸堤防、離岸堤、護岸など)にくらべて、自然・景観への悪影響を残さない長期的な視点での対策であるが、維持していくためには地域のコミュニティの参加が不可欠であると考える。そのためには、単に木を植えるだけではなく、密度の高い樹林帯を維持していくための管理、地域住民がその場で生活していける便益をもたらさないといけないと考える。そのため、今年度は、主に、1)アダンやココヤシ繊維の素材としての活用方法に関する研究、2)アダン等の海岸林の植林方法に関する研究を行ったものである。アダン等の海岸林の植林方法に関する研究では、スリランカ海岸沿いの他グループの植林地点を含めて調査し、植林方法・メンテナンスの相違による生存率を調査した。力学的効果を発揮するアダンは60%以上の地点において植林されていたが、樹種混在パターンでの植林は40から60%程度であった。また、維持管理は50%の地点でしか実施されていなかったなど植林に関する問題点を調査した。海岸林素材活用に関する研究では、ココヤシ(Cocosnucifera L.)の繊維(coir-pith)を浸透流型浄化湿地の水質浄化材として活用する研究を行いその効果を学術雑誌(Chemistry&Ecology)へ発表し、また、重金属除去効果について六価クロムを対象として評価した。さらに、3)持続可能なシステム構築に必要な運用サイクルの提案を行う第一段階として、成長段階や樹種による津波防御効果を定量評価するために、水理模型実験を行い、その特性を踏まえた数値解析モデルを構築した。
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Research Products
(5 results)