2008 Fiscal Year Annual Research Report
無機系建築材料の資源循環シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
07F07120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 貴文 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AHN Jaecheol 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 無機材料 / 資源循環 / 組立性 / 分離性 / リサイクル |
Research Abstract |
■研究の内容 有限な資源の最適な循環利用と建築物の持続可能性の実現のためには、全ライフサイクルにおいて構造体の長寿命化とともに、社会的・物理的な寿命が終わった各種部品の分離と再組立によるメンテナンスやアップグレードに加えてリユース及びジサイクルが円滑になさらなければならない。そして、低エネルギーで各部品及び材料を効率的に分離・再設置するためには、部品間接合部の組立性だけでなく分解性に対する考慮が必須である。したがって、本研究では無機系建築材料の効率的な循環利用のため、分解性設計概念を導入したセメント系接合ジョイントの開発を目的とした。F系物質を利用したセメント系改質材は、高周波加熱でセメントペーストの脆弱化が可能になった。したがって、低エネルギーでセメント系接合ジョイントを良く分離させ、無機系建築材料の高品質リサイクルによる資源循環の高効率化が可能であると考えられる。 ■研究の意義・重要性 建築に使われる材料及び部品は、素材の物性及び要求目的により、多様な接合ジョイントに結合されている。この中、セメント系材料及びタイルと石材等の多様な無機材料系の建築部品が強度及び耐久性、そして施工性と経済性などの組立性が優秀なセメント系接合ジョイントで結合されている。しかし、セメント系接合ジョイントは、乾式接合に比べ分解時に膨大なエネルギーと手間が必要になるために、不完全な分解となり不純物が多く付着することが多く、リサイクルが難しいという問題点があった。本研究を通じて、建築物の円滑なリサイクルによる無機系資源循環の最適化が可能になり、将来の長寿命建築物の実現に貢献することができると考えられる。
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Research Products
(2 results)