2007 Fiscal Year Annual Research Report
湿式酸化/抽出の組み合わせ処理による金属固体残渣中クロムの分離回収
Project/Area Number |
07F07128
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 仁樹 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUCHAR Dalibor 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | クロム / めっきスラッジ / 抽出 / 湿式酸化 / 硫化水素 / 選択分離回収 |
Research Abstract |
本研究は、めっき産業から排出されるクロム、銅、亜鉛、ニッケルなどの重金属類を含んだ混合めっきスラッジからの重金属回収技術の開発を目的としている。なかでも、本研究では有害性が極めて高く溶出しやすいため周囲への環境被害への懸念が高まっているクロムに着目し、金属固体残渣中からのクロムの分離回収法として1)めっきスラッジ中からの重金属の抽出、2)促進酸化法を用いたクロムの酸化処理、3)クロムの選択回収、4)共存重金属類の選択沈澱処理を組み合わせた新規プロセスの提案、ならびにその基礎検討を行っている。 本年度は、上記4ステップのうち1)、4)を実施した。まず1)については、抽出剤として塩酸を使用した実めっきスラッジ(主成分:クロム、亜鉛)の溶解実験を行った。具体的にはめっきスラッジの粒子径を20〜300μmの範囲で6段階に分級した上で、pHを0.5〜4.5に調製した塩酸中に分散・溶解させた際の溶液中の金属濃度の経時変化を測定した。この結果、本実験範囲内では、溶解性に対するスラッジ粒子径の依存性はほとんどない一方、塩酸のpHに関して、pHが05〜1.5までは高い溶解性を示すもののpH=2.0以上では溶解性が低下することを確認した。以上より、めっきスラッジ中からの重金属の塩酸抽出においてはpHを1.5以下で操作する必要性が明らかとなった。また、4)に関しては、ステップ1)で抽出されたクロム、亜鉛溶液に対する硫化水素を用いた硫化処理による選択沈殿分離実験を実施した。具体的には濃度1〜3g/Lに調製したクロム、亜鉛含有溶液と硫化水素の気液接触を行い、溶液中の残留金属濃度を測定した。この結果、亜鉛のみが選択的に硫化・沈殿するとともに、沈殿物の亜鉛選択率が95.0%であることが確認され1本法がクロム含有金属溶液からの重金属の高純度分離回収技術として適用性を有することが示された。
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