2007 Fiscal Year Annual Research Report
超小型衛星用の高精度姿勢制御系の設計とシステム解析
Project/Area Number |
07F07134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中須賀 真一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAMBERT Casey Marcel 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Nano-Satellite / Attitude Dynamics / Extensible Boom / Star Sensor |
Research Abstract |
我々の研究室で現在開発中の10kg以下の超小型衛星PRISMおよびNano-JASMINEでは、非常に小さなサイズの衛星上で極めて精度の高い制御を実現しなくてはならない。本研究では、その衛星や機器のモデル化、制御系の設計、制御系適応時のシステム解析を実施し、その成果をモデルを使った制御実験で検証することを目的とする。 PRISMに関しては、姿勢精度およびミッションの実現性に大きな影響を与える伸展ブームのダイナミクス解析を実施するため、無重量フライト実験用の装置を作成し、19年9月に名.古屋空港にて実験を実施した。その結果、複数の軸の干渉による非線形振動が誘起されることがわかった。試験結果を元に伸展ブームの特性をモデル化し、その振動などのダイナミクスを予測した上で、PRISM搭載のオートフォーカスの制御則に反映させた。さらに、伸展ブームと受光素子およびオートフォーカス機構を光学ベンチで結合した実験装置を作り、その上で実際の画像を撮りながら制御ロジックのチューニングを行った。また、無重量フライト実験とその前後に重力下で行った伸展実験の結果の差から、ピントあわせにおける重力の補償法を導出した。光学系はエンジニアリングモデルが完成し、それをPRISM本体に取り付け、振動試験等の後でも伸展に再現性があることを確認した。これらの成果は、20年度に実施するPRISMのフライトモデルの製作に大いに反映される。また、この成果は、20年度に国際学会ISTSで発表される予定である。 Nano-JASMINEに関しては、現在すでにほぼ完成している姿勢およびミッション機器シミュレーターに、さらに詳細なセンサーおよびアクチュエータモデル、外乱モデルを追加し、その上で、0.7秒角の超高姿勢安定度を達成する制御則の検討を行った。特に、姿勢決定精度に大きな影響を与えるスターセンサーの試作品を開発し、星の同定法についてシミュレーションベースで検討を加え、信頼度の高い同定アルゴリズムを開発した。
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Research Products
(4 results)