2007 Fiscal Year Annual Research Report
実験及び理論的アプローチから得られる蛋白質ダイナミクス情報の相関マッピング
Project/Area Number |
07F07146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北尾 彰朗 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Lee Wei 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイナミクス / GNM / ENM / 粗視化MD / NMRオーダーパラメータ / 温度因子 / 主成分分析 / 酵素活性部位 |
Research Abstract |
私たちの研究の目的は、理論モデルと実験で得られる観測量の動的事象の時間尺度を明らかにすることである。特に、私たちは同じタンパク質に関するNMR立体構造群、X線構造、NMRオーバーパラメータ、および温度因子などのデータに注目している。過去1年間で、使用すべき理論的手法の調査と準備に取り組んだ。発表した2つのレビュー記事では粗視化(CG)ENM(Elastic Network Model)モデルと粗視化分子動力学(CG MD)手法に関する評価を行った。更に私たちは実験的な観測量の時間尺度を決定するために、Gaussian Network Model(GNM)、全原子およびCG-ENM,MDやCG MDトラジェクトリに関する準調和解析を用いることした。 最近の取り組みでは、いくつかの代表的タンパク質のNMR立体配座異性体の時間尺度を研究している。これに用いたオンライン計算ツールに関するデータ、ディスカッションは投稿準備中の論文で報告する予定である。また、遅いGNMモードは、生物学的に機能的関係していて、酵素活性部位位置の決定に重要であることが示された。方法論のこの部分と結果のデータは、準備中の別の論文で報告する予定である。また、私たちはX線温度因子とNMR立体構造分布の相対時間のスケールに関する予備的結果を得た。Ivet Bahar博士とAngela Gronenborn博士との共同研究による取り組みではGNMモードとCG-ENMモードにおいて周波数差があることを示した。温度因子と対応するダイナミクスは結晶環境制約条件のためNMR立体構造の分布より速いダイナミクスと関係していると思われる。この線に沿った更なる試みは、前述の理論的手段によってNMRオーダーパラメータの正確な時間フレームを限定することである。来年度は、実験的な観測量の時間尺度を理論的に特徴付けられたモードにマッピングする予定である。
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Research Products
(8 results)