2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜近傍における細胞極性・細胞形態形成の制御機構解析
Project/Area Number |
07F07149
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Shujie 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 低分子量GTP結合蛋白質 / IQGAP1 / アクチンフィラメント / 微小管 / 細胞膜 |
Research Abstract |
Rac1とCdc42は細胞膜上で活性化すると考えられている。それら標的蛋白質であるIQGAP1は、アクチンフィラメントに直接結合することで遊走する細胞のリーディングエッジに濃縮し、ラメリポディアの形成に関与している。細胞から細胞膜を単離し、免疫電子顕微鏡技術を用いて解析したところ、IQGAP1が細胞膜近傍におけるアクチンフィラメントに優位に結合することを見出した。さらに、細胞膜近傍におけるIQGAP1の一部はRac1と共局在した。生化学的に細胞膜画分を分離したところ、Rac1はTriton不溶画分(細胞骨格画分)に優位に分画されるのに対し、IQGAP1はTriton可溶画分と不溶画分に分画されることを見出した。一方、Rac1やIQGAP1をRNAiすると、光学顕微鏡レベルでアクチンフィラメントの配向異常が認められた。これらのことから、細胞膜近傍においてIQGAP1はRac1の下流でアクチンフィラメントの配向を制御することが示唆された。 IQGAP1は微小管とアクチンを繋ぐ仲介分子と考えられている。今回、微小管結合蛋白質CLASP2(CLIPsassociating protein-2)をIQGAP1の新規結合蛋白質として同定し、その結合がGSK-3(Glycogen synthasekinase-3)によるCLASP2のリン酸化で負に制御されることを見出した。細胞内でGSK-3の活性が局所的に制御されることで、IQGAP1とCLASP2が結合し、細胞膜近傍における微小管とアクチンを繋がることが示唆された。
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Research Products
(1 results)