2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿形 清和 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAMY Clement Benoit 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プラナリア / 感覚受容体 / 味覚 / 行動 / Gタンパク質 / 神経 / RNAi / 走化性 |
Research Abstract |
プラナリアは外界からの刺激を受容して、脳で情報処理後、行動を制御している。 本研究では、この外界からの刺激を受容する神経細胞を同定して、脳での情報処理経路を明らかにすることを目的に研究を進めた。まずは、プラナリアのゲノム配列をもとに7回膜貫通型GPCR受容体遺伝子414個を同定し、それら全ての遺伝子をPCRで増幅し、味覚・嗅覚受容体遺伝子の同定、各遺伝子の発現細胞の同定を行った。414個の候補遺伝子について、分子系統解析を行い、プラナリアにユニークな受容体遺伝子群を同定した。驚くべきことに、それらの遺伝子群に探索していた味覚・嗅覚受容体遺伝子が含まれていることが判明した。逆に言えば、プラナリアは淡水の中で、目的とするエサや交配相手を探すのに独特の進化を遂げてプラナリアとして存在し続けていることを示唆している。さらに、それらの発現細胞を同定したところ、多くの遺伝子が脳の9対ラテラル・ブランチの感覚神経細胞の中の数個の細胞が発現しており、9対のラテラル・ブランチには差はないものの、各ブランチごとに異なる感覚神経細胞が混在していることが明らかになった。すなわち、プラナリアはエサなどの方向性を9対にそれぞれ分布する感覚細胞で認識していると考えられた。これらの遺伝子のコンディショナルノックアウトをすることによって、外界刺激の脳での情報処理機構が明らかにできるものと期待される。
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