2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本及び中国東北部の水田土壌中に生育するファージ群集に関する系統分類学的比較研究
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07F07162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 眞人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Guanghua 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | g23遺伝子 / T4型ファージ / 水平移動 / 水田土壌 / 土壌層位 / 中国東北部 / 黒色土 / PCR-DGGE |
Research Abstract |
1)青森県黒石、愛知県安城、福岡県筑後の各水田から土壌を採取し、DNAを抽出後、T4型ファージの有するカプシド遺伝子g23をPGR増幅後、DGGEで分画し、バンドの塩基配列を解読して比較した。得られた塩基配列は、大部分が土壌に特有な配列であり地域による違いは認められなかった。本結果より、わが国の水田に存在するg23遺伝子は、水田に特有な塩基配列を有し、全国共通と推察した。 2)上記の水田土壌中に存在するg23遺伝子の特異性・共通性が、中国東北部の水田土壌においても認められるか否かを検証するため、同様に土壌からDNAを抽出し、PCR-DGGEの後、塩基配列を解読し比較した結果、中国の水田土壌中のg23遺伝子も土壌に特有であること、加えて日本と中国東北部の水田土壌中のg23遺伝子は、水田特有の9つのグループに分類され、そのうち1つのグループは中国の水田土壌に特有であることが判明した。 3)水田土壌も、作土とその下の下層土では、また、砂質の土層と粘土質の土層では微生物的性質が異なることが明らかにされている。そこで、下層に砂質の土層を含む2地点の粘土質土壌を下層1mまで採取し、各層位中のg23遺伝子の違いを比較した結果、砂質の土層と粘土質の土層でg23遺伝子に違いは認められなかったが、表層から下層に向かって、水稲根が繁茂するB層までとその下の下層土各層の間でg23遺伝子群集に違いが認められた。
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Research Products
(3 results)