2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロレニンの受容体結合による可逆的活性化に関する生化学的研究
Project/Area Number |
07F07165
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 文昭 Gifu University, 応用生物科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NABI A.H.M. Nurun 岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | レニン / プロレニン / プロレニン受容体 / レニン受容体 / (プロ)レニン受容体 / デコイペプチド / HRP |
Research Abstract |
最近、血圧調節機構として知られているレニン・アンジオテンシン系に新しい作用があることが分かってきた。その1つが血管新生促進作用である。それに加えて、酵素レニーンの不活性前駆体である「プロレニン」の生理作用解明研究が、プロレニン受容体の発見によって益々注目されてきた。プロレニンはその受容体と結合すると可逆的構造変化によって活性化する。また、プロレニン結合によって独自の細胞内シグナルを活性化すると考えられている。申請者らは、プロレニンの構造と機能についての研究の一環としてプロレニンの可逆的活性化について携わり、プロレニン受容体とのタンパクータンパク相互作用について研究を行っている。その中でプロレニン・プロセグメントの一部配列の合成ペプチド(HRP)がプロレニンと受容体との結合を阻害することを、in vitroおよび細胞膜上で、ごく最近見出した。そこで、本研究では、プロレニンの受容体結合機構を明らかにすることを主たる目的とする。具体的には、「プロレニンのどの部位が受容体結合で必須なのか」、および「プロレニン受容体のどの部位がレニンおよびプロレニンの結合に必須なのか」をin vitroで明らかにする。 本年度は、すでに申請者らがプロレニンの可逆的活性化に必須である部位のペプチド(HRP)、およびプロレニン受容体の膜貫通領域よりN末端側を認識するペプチド抗体を作製し、組換え型プロレニン受容体、プロレニンおよびレニンを用いて、タンパクータンパク相互作用をBIACOREシステムで観察する測定系を構築した。その結果、プロレニン受容体は上記HRP、プロレニンおよびレニンと結合し、HRPはレニンおよびプロレニンの結合を阻害することを明らかとした。さらに、HRP以外の領域であるプロレニンとレニン分子の共通領域の配列(ヒンジ領域)ペプチドでもHRPと同様な結合阻害をもつことを明らかにした。
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Research Products
(7 results)