2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病および心血管疾患を改善する食品中成分のニュートリノジェノミクス解析研究
Project/Area Number |
07F07166
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 仁 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARDIANSYAH 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 米糠 / 糠質分解酵素 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、米糠のエタノール抽出残渣の糖質分解酵素処理物(DF)がラットにおいて抗酸化、血圧上昇抑制、血漿脂質改善などの生活習慣病を予防、改善する作用を有することを報告してきた。本研究では、DFに含まれている有効成分の化学的性状を明らかにすることを目的とした。DFを数段階のカラムクロマトグラフィーによって分離することにより、有効成分の一部を単離した。1H-NMR、13C-NMRスペクトル解析によって、単離した有効成分はアデノシンであることが判明した。市販アデノシンを脳卒中易発性高血圧自然発症ラットSHRSPに単回経口投与し、経時的に収縮期血圧を測定した。その結果、コントロールである蒸留水を投与したラットに比べ、投与1時間から4時間まで有意に血圧が低下した。また、血漿中性脂肪、血糖値の有意な低下が観察された。これらの結果は、米糠酵素処理物より単離したアデノシン画分をラットに投与した場合に見られた結果と一致したことから、単離された有効成分がアデノシンであることが確認された。次に、アデノシンを長期間(3週間)SHRSPに投与した場合の血圧や代謝パラメーターに及ぼす影響について解析を行った。その結果、体重増加、摂食量、摂水量には両群で影響が見られなかったが、この動物の加齢に伴う血圧上昇がアデノシン群で有意に低下した。また、血漿総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、肝臓コレステロール、中性脂肪の有意な減少や血漿HDLコレステロールの上昇がアデノシン群で見られたことから、SHRSPの脂質代謝異常の改善が示唆された。同時に、血糖値、血漿インスリン値の低下も観察されたことから、インスリン抵抗性の改善が示唆された。
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Research Products
(3 results)