2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病および心血管疾患を改善する食品中成分のニュートリノジェノミクス解析研究
Project/Area Number |
07F07166
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 仁 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARDIANSYAH 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 米糠 / トリプトファン / 生活習慣病 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、米糠のエタノール抽出残渣の糖質分解酵素処理物(DF)がラットにおいて抗酸化、血圧上昇抑制、血漿脂質改善などの生活習慣病を予防、改善する作用を有することを報告してきた。本研究では、昨年度に引き続きDFに含まれている有効成分の化学的性状を明らかにすること、また、同定した成分の作用機構の解明を目的として解析を行った。DFを数段階のカラムクロマトグラフィーによって分離し、トリプトファンを同定した。市販トリプトファンを脳卒中易発性高血圧自然発症ラットSHRSPに単回経口投与し、経時的に収縮期血圧を測定した。その結果、コントロールである蒸留水を投与したラットに比べ、投与1時間から2時間まで有意に血圧が低下した。また、血糖値、血漿インスリン濃度の有意な低下が観察された。これらの結果は、米糠酵素処理物より単離したトリプトファン画分をラットに投与した場合に見られた結果と一致したことから、単離された有効成分がトリプトファンであることが確認された。次に、トリプトファンを長期間(3週間)SHRSPに経口投与した場合の血圧や代謝パラメーターに及ぼす影響について解析を行った。その結果、体重増加、摂食量は両群で影響が見られなかったが、この動物の加齢に伴う血圧上昇がトリプトファン群で有意に低下した。また、血糖値、血漿インスリン濃度の低下、血漿HDLコレステロール濃度の有意な上昇がトリプトファン群で見られた。以上のことから、トリプトファンの長期投与は、SHRSPの糖代謝、脂質代謝異常を改善することが示唆された。
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Research Products
(6 results)