2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 幸平 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIHO Jung 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 圧縮技術 / 構造的利用 / 比重 / 回復特性 / モーメント抵抗 / 軸方向バネ / 回転バネ / 靭性 |
Research Abstract |
本研究では、国産スギ材の有効活用及び高性能木材接合部の実現を最終目標として、金物接合具に代替し得る接合具としてスギ圧縮木材の導入を試みた。比重が0.35程度のスギ材を、元の体積の30〜50%程度まで圧縮して比重1.0以上に高密度化することにより、高い強度的性質を発揮するだけでなく、使用期間中に大気中の湿度を吸収して膨潤し、体積を回復させることによって接合部の応力緩和を防止する「嵌合度低下防止効果」を合わせ持った「木材接合具」を新たに提案することも重要な目標である。圧縮木材を接合具へ応用する方法として、圧縮板とダボタイプの接合具を用いた小型フレーム構造におけるモーメント抵抗型柱-土台及び柱-梁接合部を提案した。接合部の回転抵抗メカニズムを究明するために、モーメント抵抗要素として軸方向バネ及び回転バネを考量した新たな力学モデルを提案し、試験結果と比較した。 その結果、力学モデルはかなり有効で、回転モーメントに占める各抵抗要素の寄与率を評価でき、接合部の回転抵抗発現メカニズムが明らかとなった。特に、圧縮木ダボのせん断性能のみならず、圧縮木材板の高い圧縮強度性能に依存した回転バネ要素は、接合部全体の回転剛性と靭性の発現に有効であることが明らかとなった。今後、本研究で開発した高性能圧縮木材接合法を利用した木質構造の発展が期待できる。
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Research Products
(3 results)