2009 Fiscal Year Annual Research Report
木質材料・木質ポリマー複合材料製造過程及び製造後の生物劣化防止処理
Project/Area Number |
07F07171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角田 邦夫 Kyoto University, 生存圏研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TASCIOGLU Cihat 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 木質材料 / 木質ポリマー複合材料(WPC) / 長期耐用化処理 / 生物劣化 / 防腐性能 / 防蟻性 / ホウ酸亜鉛 |
Research Abstract |
本研究では、生物劣化を蒙る環境下で木質材料・木質ポリマー複合材料が使用されることが増大している状況を考慮して、製造過程及び製造後に劣化防止処理を施した木質材料・木質ポリマー複合材料(WPC)の物理的・機械的性能および腐朽菌・シロアリに対する抵抗性を検討してきた。本年度は特に、ホウ酸亜鉛を混入したパーティクルボードと木粉混合割合と変えたWPCやホウ酸亜鉛混入WPCの防腐・防蟻性を室内試験で評価し、実用に当たっての問題解決の一助とした。得られた結果を要約すると、以下の通りである。 (1)家屋解体材から調製した広葉樹・針葉樹混合パーティクルとイソシアネート接着剤によるパーティクルボードの製造過程で添加したホウ酸亜鉛は、製造過程で消失することなく、全量がボードに含まれていることが、ICP分析で実証できた。 (2)また、パーティクルボードの曲げ強度は、ホウ酸亜鉛の添加によって低下することがなかった。 (3)ホウ酸亜鉛添加量1%(重量当たり)以上であれば、高い防腐・防蟻性能が得られることが室内標準試験で確認できた。 (4)実験室で調製したWPCは、木粉混合割合が上昇すれば、イエシロアリによる軽度の食害を受けることが室内標準試験で確認できた。 (5)実験室で調製したWPCの吸水率を耐候操作後に測定したが、木粉混合割合が60%以上であっても15%を越えることがなく、腐朽抵抗性は高いことが推定された(室内強制腐朽試験によって確認中)。 現在、これまでに室内試験で検討してきた種々の木質材料・木質ポリマー複合材料の供用条件を模した野外試験を実施中である。適切な製造後処理、製造過程におけるホウ酸亜鉛添加処理は、生物劣化環境下で使用される諸材料の耐用期間の延長を可能にする有効な方法である。研究成果の一部を纏めた論文が既に受理されており、今後、3報を投稿予定である。
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Research Products
(1 results)