2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの水圏生態系における臭素系難燃剤の蓄積特性とヒトの暴露評価
Project/Area Number |
07F07174
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田辺 信介 Ehime University, 沿岸環境科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUDARYANTO Agus 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機臭素系難燃剤 / PBDEs / HBCDs / POPs / インドネシア / ジャカルタ湾 / アジア / 途上国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インドネシアのジャカルタ湾生態系をモデルに、臭素系難燃剤(PBDEsおよびHBCDs)による水圏汚染の実態と蓄積特性の解明、および食品を中心としたヒトの暴露ルートの解析を試みることにある。併せて、アジアの途上国から収集した母乳試料を供試して、臭素系難燃剤による広域汚染の実態も明らかにする。 初年度は、まず魚介類、ヒトの母乳、食品試料に適用できるPBDEsとHBCDsの分析法を検討した。ソックスレー抽出や珪藻土抽出、バイオビーズを利用した脱脂、シリカゲルカラム、ガスクロマトグラフ質量分析計による定量等を組み合わせ、臭素系難燃剤と既存のPOPs(残留性有機汚染物質)の同時分析法を開発した。次にこの方法を用いてジャカルタ湾の魚介類および堆積物の分析を試み、その汚染レベルを解析した。PBDEsとHBCDsは当海域の全ての試料から検出され、臭素系難燃剤による汚染がインドネシアに拡大したことを初めて明らかにした。しかし、PBDEsとHBCDsの濃度レベルは、欧米や日本に比べれば低値であることが判明し、他の途上国同様、有機臭素系難燃剤による汚染は経済発展とともに今後進行することが予察された。 一方、ヒトの母乳分析の予備的結果では欧州諸国と同等のPBDEsレベルが得られ、輸入食品や家具など得意な暴露ルートと併せて人体汚染を検証することが今後の課題となった。
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Research Products
(9 results)