2008 Fiscal Year Annual Research Report
UCPの環境ストレスに伴う鶏ヒナの脳内活性酸素産生防除機能の解明
Project/Area Number |
07F07179
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古瀬 充宏 Kyushu University, 農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AHMAD Mujahid 九州大学, 農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | コルチコトロピン放出因子 / 視床下部-下垂体-副腎皮質軸 / 熱的中正圏 / avUCP / avANT / 寒冷暴露 / 体温 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
コルチコトロピン放出因子(CRF)は多彩な生理活性を有し、生命活動を維持するための適応反応に必要なエネルギーホメオスターシスを調節する視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)軸における中枢制御を担っている。中枢にCRFを投与すると酸素消費量、二酸化炭素排出量ならびに熱生産量が高まり、体温の上昇を導く。そこで体温上昇に関わる遺伝子群の発現(avUCP,avANT and avPGC1α)とミトコンドリアにおける生体エネルギー反応に関わる脂肪酸輸送と酸化反応に関する遺伝子群の発現(CPT-I,CPT-II,LCAD,3HADHおよびCS)とその酵素活性(3HADHおよびCS)に対するCRFの貢献を調査した。まず、熱的中正圏において実験を行ったところ、CRFは幼雛の体温上昇と血漿遊離脂肪酸濃度の上昇を導いた。体温上昇に関わる遺伝子群(avUCPおよびavANT)に対してCRFは有意な効果を有さず、脂肪酸の酸化に関わる遺伝子ならびに酵素活性が組織特異的に高まった。特にCRFは脂肪酸輸送とβ酸化に関係することが判明した。次いで、CRFは寒冷暴露時の体温低下を防ぐことが判明した。この反応においても、avUCPおよびavANTの遺伝子発現に対してCRFは有意な効果を有さず、脂肪酸の酸化に関わる遺伝子ならびに酵素活性が組織特異的に高まった。以上のことから、幼雛時においてはCRFを介する体温調節が脂肪酸の輸送と酸化に依存していることが判明した。 さらに、低温環境暴露時においては、脳の酸化ストレスをCRFが軽減することも見出した。何故、恒温動物とされているニワトリが幼雛時に体温調節ができないのかが明らかになった。すなわち、視床下部-下垂体-甲状腺軸が未発達の状況下で、幼雛はHPA軸によって短期的にしか体温維持ができず保温を必要とすることが判明した。
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Research Products
(9 results)