2007 Fiscal Year Annual Research Report
反芻動物の生理および病態生理におけるモノカルボン酸輸送体(MCT)の役割
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07F07182
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
加藤 清雄 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DOAA Kirat 酪農学園大学, 獣医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | モノカルボン酸輸送体 / 副腎 / ウシ / MCT mRNA / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
現在のところ、モノカルボン酸輸送体(monocarboxylate transporter, MCT)は14のサブタイプが存在することが知られている。それぞれ組織分布が異なり、基質特異性や親和性が異なる。これらのうちの7種(MCT1-4,6,8,10)は機能が明らかにされ、短鎖モノカルボン酸、甲状腺ホルモン、芳香族アミノ酸などの輸送に関与することが知られている。しかし、その他のMCTサブタイプの分布や機能は明らかにされていない。副腎は重要な内分泌器官であり、その働きに複数のMCTが関与していることが考えられることから、副腎に注目しMCTの分布を調べた。副腎について、14種類のMCTサブタイプ全てについて発現動態を調べることは世界的に始めての試みである。本研究では、ウシの副腎についてMCT1-14mRNAの発現をRT-PCR法を用いて調べた。その結果、MCT1,2,3,4,5,8,9,10,13および14が発現していることを明らかにした。これらのMCTサブタイプの副腎における局在を、抗体が入手可能なMCT1-8について免疫組織染色法により調べた。その結果、副腎皮質と髄質において、MCTサブタイプにより染色性が異なることが明らかとなった。副腎皮質内では、MCT1とMCT2が球状帯の細胞膜に高密度に存在し、MCT3,4,5および8は同じ球状帯の細胞質に限局していた。束状帯と網状帯では、MCT3と4が細胞質に分布していた。反芻動物の副腎髄質ではすべてのMCTサブタイプが髄質内層に発現し、髄質外層にはMCT3,4,5および8が発現していた。本研究の結果から、多くのモノカルボン酸輸送体サブタイプが副腎の様々なホルモンの分泌調節に重要な役割を演じていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)