2007 Fiscal Year Annual Research Report
トリパノソーマ表面蛋白質に対するラクダ科動物単一鎖抗体作製と構造機能解析への応用
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07F07183
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉本 千尋 Hokkaido University, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAGONA Joseph Webeleta 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | トリパノソーマ / 単一鎖抗体 / 抗体ライブラリー / 表面糖たんぱく質 / 感染症診断 |
Research Abstract |
本研究ではラマなどラクダ科動物の抗体の構造的特性を活かし、トリパノソーマ原虫表面分子に対する単一鎖抗体を作出し、機能解析研究へ利用すると同時に、このような抗体の診断、治療への利用の可能性を模索することを目的としている。本年度はTrypanosoma原虫の培養を行い、培養液から原虫を精製、その超音波処理物を、免疫原としてアジュバントとともに数回ラマを免疫し、抗体を得た。同時に末梢血液からフィコール密度勾配遠心法によりリンパ球を精製後トリゾールにより溶解したものを超低温保存し、mRNA精製のソースとした。全虫体あるいは精製VSGを抗原として、ラマ抗体の認識する抗原をウエスタンブロットにり解析したところ、免疫原(Trypanosoma evansi)との反応性、特に分子量50キロダルトン付近の表面糖たんぱく質(VSG)との反応性が確認できた。また異なる原虫株(T.brucei brucei)由来の抗原に対する抗体の交差反応性も確認できた。保存リンパ球からmRNA精製、cDNA合成を経て抗体遺伝子可変部分を増幅しファージ構造タンパク質遺伝子の一部に組み込んだファージライブラリーを作製し、粗抗原あるいは精製VSGでスクリーニングにより抗体クローンを得る準備を進めた。
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