2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝オーバル細胞の発生・増殖・分化を制御する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
07F07198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 篤 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KASIM Vivi 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | オーバル細胞 / 幹細胞 / 成体肝臓の幹細胞 / 起源 / 発生 / 分化 / miRNA / ターゲット遺伝子 |
Research Abstract |
肝臓が重篤な障害を受けた際に出現し、肝実質細胞と胆管上皮細胞への二方向性の分化能および高い増殖能を持つオーバル細胞は、成体肝臓における幹細胞と考えられており、また、肝臓癌の癌幹細胞となる可能性も示唆されている。しかし、オーバル細胞の性状や発生、増殖、分化のメカニズムは未だ殆ど明らかになっていない。本研究課題では、(1)オーバル細胞の起源と、その誘導に関わるシグナルを解明する、(2)オーバル細胞に特異的に発現するmiRNAとそれらのオーバル細胞の発生、増殖、分化における役割について解析することで、オーバル細胞の全体像を理解することを目的としている。 上記の(1)について、オーバル細胞が出現する際、胆管上皮細胞が分裂し、増殖するうことが、2-bromodeoxy-uridine(BrdU)とオーバル細胞の既知のマーカーを用いた免疫染色実験で明らかとなった。次に、オーバル細胞が胆管上皮細胞から由来する可能性を検討するため、胆管上皮細胞のマーカーであるCK19遺伝子のプロモーターの制御下でCre-ERT発現するトランスジェニックマウスを作成した。今後、このマウスとfloxedレポーターマウスと交配させて得られるマウスを用いて、胆管上皮細胞にのみレポーター遺伝子を発現させた状態でオーバル細胞を誘導し、レポーター発現細胞の挙動を調べることで、オーバル細胞が胆管上皮細胞に由来するのか、更に、その後のオーバル細胞の挙動について追跡することを計画している。 上記の(2)については、オーバル細胞由来の細胞株、これを肝実質細胞或いは胆管上皮細胞へと分化誘導したものの、三者のmiRNA発現パターンをアレイ解析で比較した結果、特異的な発現変動を示す複数のmiRNAを候補として同定した。現在、それらのターゲット遺伝子と、オーバル細胞の分化系での機能的な関与について研究を進めている。
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