2008 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶成分カテキン単独又はアンチモン剤併用によるリーシュマニア症治療薬の開発
Project/Area Number |
07F07202
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
是永 正敬 Kochi University, 教育研究部医療学系, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARROSO Paola Andrea 高知大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | リーシュマニア原虫 / ルシフェラーゼ・レポーターアッセイ / アマスチゴート / ヒト由来マクロファージTHP1 / カテキン分画 / アンチモン剤 / 抗リーシュマニア原虫活性 |
Research Abstract |
研究目的:リーシュマニア症治療薬として緑茶カテキン(GTC)、および第一選択薬であるアンチモン剤との併用効果についてレポター遺伝子導入原虫アッセイ系を用いて検討した。研究実施計画:マクロファージ細胞株の選択:マウス由来J774.1マクロファージ株とヒト由来THP1マクロファージ株への感染性および薬剤試験への感受性を比較したところTHP1株が優れていることが分かった。細胞内寄生アマスティゴートに対する抗原虫活性:THP1株をマクロファージへと分化・誘導した後、さらに培養し、10対1の割合でメタサイクリック・プロマスティゴートを感染させた。34℃5%CO_2存在下で24時間培養後、GTC分画を添加し、更に72時間培養した。薬剤の抗原虫活性はSelective Index Ratioにより評価した。ルシフェラーゼ遺伝子およびβ-ラクタマーゼ遺伝子をベクターpUC19/pIR1SATに組込み、リーシュマニア原虫(L.amazonensis,L.braziliensis)に導入するための最適実験条件を調べた結果、ルシフェラーゼ遺伝子を組込んだpIR1SAT/lucの方が優れていることが分かった。導入実験の結果、各原虫5クローンが得られた。クローンと野生型原虫を用い、各種濃度のGTCに暴露し、その殺虫効果を調べたところ、ルシフェラーゼ導入原虫によるアッセイ系の方が高い感度を示された。この系を用い、アンチモン剤とGTCの併用効果を調べると、通常より低い濃度のアンチモン剤でも抗原虫活性があることが証明された。研究の意義・重要性:GCT分画およびアンチモン剤併用がヒト由来マクロファージ内アマスチゴートに対して抗原虫作用を示すことを証明した意義は大きい。また、迅速スクリーニング法としてレポーターアッセイ系を開発したことは今後種々の薬剤テストに応用できるので、その有用性は極めて大きい。
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Research Products
(5 results)